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第12回小笹屋竹鶴呑み切会 ~4~

「どーしてそんなナイスな問いを立てることができるのかなー?」

今年もそんな感想にたどり着いてしまった。
昨年の二日目の昼、石川杜氏とお好み焼きを食いながら聞いてみた。

「それは私の技術と経験がまだまだ足りないからです。」

というのが彼の答えだった。こういう感覚を身に備えたいと思う。
また同じことを聞くのもお馬鹿さんなので今年は聞かなかったけどね。

(続きです)

19BYの造りの間、石川杜氏のアタマ(地上2メートル40センチのアタマ)にあったのは
「“生もと”の手法ってどうやって成立したの?」
・江戸時代に成立したことになっているけど
 あまりにも「突如として」という感じが強い。
・永い酒造の歴史からすると突然変異的である。
・これは酒造りだけでは変えられないはず。
・ここには他の文化からの影響が必ずあるはず。

(こうした仮説の立て方が非常に自然でありユニークなんだよね)

10年前の「サライ」に特別な変わったお茶が紹介されていた。
それが「阿波晩茶」である。
・非常に珍しい「発酵茶」
・紅茶や中国茶は茶葉自体の酵素で発酵させるが
 阿波晩茶は微生物発酵。
 しかもそれは「乳酸発酵」なのである!!
・さらにただの乳酸発酵ではなく
 そこには「摺る」というではないか!

酒造りの歴史の中で「摺る」という作業は生もと以前には無い。

阿波晩茶&生もと…非常に近いものを感じるわけです。

そこ石川杜氏一人からなる取材班は
徳島への単独日帰り取材を敢行!!
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・まず茶の木の形からして違う。
 何しろ“栽培していない”のです。
・「殺青」…加熱して茶葉の酵素を不活性化させる作業。
 ここでは茹でちゃってます。
・「船」と呼ばれる2メートルほどの道具で摺るのです。
 葉の表面にキズをつけて乳酸菌を侵入させる狙い。
・空気を抜いて嫌気的に発酵させる。

(製造方法もユニークだけど石川杜氏がもっとも注目したのは
その栽培についてと地域の人たちの生活への浸透ぶりだったようだ)

・写真の枯れ木みたいのが阿波晩茶の木です。
 がけに自生している。いわゆる茶畑は存在すらしない。
 もっとも山奥で平地が無い。
・日本酒のことにも通じるものを感じる。
 自生している=少ししか作れない。
 栽培していない=無肥料無農薬。
・茶葉の収穫は木の葉っぱを全て取ってしまう。
 「そんなことして枯れちゃわないんですか?」と聞けば
 「何にもしてないから枯れないんだ」そうです。
 条件のものすごく悪い石垣なんかに
 根を深~く張ることで生きていく。
 栽培茶とは全く逆のスパイラル。

“生もと”も本来はとてもシンプルなもので
「生命力を信じる」ことなのです。

(いちおう終わりにします)

筆力が無く石川杜氏の感激が伝えられないのが申しわけ無いです。
瀬戸内の水運と藍作りとの関連とか
生活への浸透のすごさとかの話も興味深いのですが
何しろ時間が足りない!石川杜氏本人も「あと30分は欲しかった」とのこと(笑)

じゃあ二次会で話を聞けばって?
私の信条はですね…
「呑んだら語るな 語るなら呑むな」
なのですなぁ。。

by soba-kiri | 2008-10-16 00:39 | たまにはこんな感じで  

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