「酒呑みの合間に酒造り」久保本家潜入!後編

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今回の訪問の大きな目的としては
「『生もと造り』って実際どんなことしてんの?」がありました。
自分でわからないものはお客さまにうまく説明できない。
本を読んでも、わかってる人がわかってる人に向けて書いてあるだけです。

一般の生もとイメージ・・・
・とにかく「山卸し」というのをやるらしい。
・造りのどのタイミングかわからないけどとにかくかき混ぜるんでしょ?
・歌なんぞうたいながら草津の湯のアレに近い?

私にしても「櫂入れ」と「もと摺り」の違いは不明瞭だったし
「なにか酒を作る過程で一生懸命かき混ぜなきゃいけないようだ。
ついては皆で歌を歌いながらボートのオールみたいな棒や板で
えんやこら♪えんやこら♪とかき混ぜるんじゃないの?」
いいとこ、こんな感じじゃないでしょうか?(私も似たようなもんだわ)

残念ながら「もと摺り」の作業は12月初旬に終わるので見学できませんでした。
しかし、門外不出の秘蔵ビデオでその様子を拝見しました。(これがとってもハードコア!)

第一印象  「ええっ!全然水分ないじゃん!」
もっとチャプチャプしたものをかき混ぜると思ってました。
こりゃ麹と蒸米を混ぜただけですな。
それを「よいしょ!よいしょ!」と力を込めて摺る。
つーか、混ぜる・押す・押し込めるという風情。
たとえれば「餅つき」に近いかも?とにかく肉体労働です。
第二印象  「ちょ・・・ちょっと、いつまでやるの!」
生もと造りを神々との和合とイメージしたのは竹鶴の石川杜氏。
それはいいんですけど・・・あまりしつこいと神様に嫌われるのでは?(笑)
あきれるほどの永い時間をかけてのピストン運動。こりゃあエロいです。
第三印象 「おお!そこで終了ですか!」
この間、杜氏は何をしてるのでしょう?
そう、怖い顔をして終始仁王立ち!(失礼!)
タイミングの見極めに全神経を張り詰めます。
出来上がったのはペースト状の物体。
麹と蒸米がミックスされた状態のものですね。
きっと、機械でも似たような作業は出来ないことはないんでしょう。
だから大手メーカーでも容易に「生もと」を名乗れる。
しかし、ここまでやってようやく気持ちが込められるんだな。

えーと、結局、「もと摺り」はすげぇ作業だ!ということが判明しただけでした(笑)。
(うーん筆力がないなぁ・・・)
ちなみに「櫂入れ」というのは酒母などをかき混ぜて酵母に「がんばれ!」をする作業(らしい)。

杜氏に「もと摺り」をする場所を案内してもらう。
がらんとして綺麗に片付けられた広間には
神々と交わる場という雰囲気はない。

杜氏は言う。

「自分たちは何もしてない。酒呑みの合間に酒造っているだけや」

この言葉、俄かには「なんとなくすげぇ事言うなぁ」と思っただけでした。
まあそのくらい肩の力を抜いてかからないと
永い造りのシーズン、蔵人さんたちの気持ちを維持できないのかなぁ、とかね。

でも、この「生もと」の作業を知った後では「何もしてないとは何事ぞ!」と思う。
やはりこの言葉の真の意味は
「いくら手を尽くしても最終的には目に見えない微生物にゆだねるしかない」という
技術を極めた人の感慨なのかなと改めて思います。

えーと、まだ続きます。

でもホント中学で必修にしたらどうでしょう?蔵の作業とか。
酒造りについてはわからないことだらけです。

by soba-kiri | 2007-02-17 07:37 | 社会科見学  

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