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第14回小笹屋竹鶴呑切会(その2)

今回の竹鶴訪問で見たかったものといえばこれだ!↓
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21BYから生もとは大吟も含めてすべて木桶仕込みとなった。
「木の香りがつくんじゃないの?」と心配したが
利き酒したところ、そんな印象はないです。
それよりも、米が「八反」であるからなのか
よりいっそう暴走してる感じがします。
(グレートヴィンテージな予感がします)

さて木桶仕込みの最大の特徴ってなんでしょう?
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(答)保温性が高いこと。

ちなみに石川杜氏はもろみの温度操作は一切しません。
冷却装置付のタンクもあるのに電源入れないし。
水を汲むときにも氷水を使ったりもしない。
(あ、洗米には冷却水を使う)
無論、蔵にはエアコンも無いです。
(1月でも蔵の前をカニが歩くほど温暖な竹原)

だから「通常よりかなり高い温度帯で曲線を描きました」(石川杜氏談)
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通常の発想では…というか一般のイメージでは
酒造りというと「雪深い山里で醸される」とか
または「低温でいじめ抜いてじっくりと醸造した」とか
酒造りの手順がわかってくると
・蒸米を冷ましたり
・暖気(樽)を入れたり
・酒を保管したり
それらの作業には低温が重要なんだなーと考えがちだ。
じっさい酒母室は蔵でもっとも寒い北側にあることが多い(らしい)。

でも、よく考えてみると、もっと温暖な高知あたりだって
冷蔵庫のない江戸時代に酒を造ってきたわけだし
低温は必ずしも絶対条件ではないのかもね。
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↑この画像は「もと場」ここで生もとのもと摺りをやる。
ぶ厚い桧の床材も柿渋が塗り重ねられいい感じになってきている。

今回の蔵訪問(2度目)と石川杜氏のお話の中で改めて感じたことがある。
それは石川さんが常々口にする「放し飼いの酒造り」というのは
お気楽のんきに酒造りをするということではないのは当然で
米や水、麹蓋や桶の適切な大きさ、仕込みの適切な規模を考え抜き
麹や酵母をはじめとした菌たちの働きやすい環境を整えていくことが大事で
力まかせに酒母やもろみを操作してはいけない。

とまでは理解していたつもり、さらに今回気付いたのは
「出来上がってしまった酒に対して余計な手直しやお化粧はしない」
ということなのかなーということ。

アル添をはじめとした酒造りにおける本質的でない技術の多くは
結局のところ「手直し」や「ごまかし」の技術である。

「うちはそういう悪の技は使いませんよ」とは
まさか言うことは出来ないだろうから、
あえて「放し飼いの酒造り」と謙遜してるのかもしれない。

だって呑めば判るじゃんねー。
ただの放し飼いでこんな酒ができるわけないじゃーん!

また、石川さんは酒米や水、蔵の設備、酒造の各行程に想いと手を尽くしてもなお
「これでいいのかな?」と自問し続けている感じを受ける。
そして手直ししない。ごまかさない。お化粧もしない。

手直しとごまかしだけで醸造してる蔵の人たちは竹鶴を呑んでどう思うのかな?

半切りですね。柿渋が効いてます。
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漫画「蔵人(クロード)」でおなじみの物干し場。
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敏夫専務によれば大昔はこの蔵の前が海岸だったとのこと。
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石川杜氏のご子息の夏休みの自由研究。つか論文だわ。
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若き日の石川杜氏@神亀(?)
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裏庭で酒米を栽培。雄町?八反?
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小笹屋竹鶴宿根雄町22BYの原料。
窒素を抑えた徒長させない栽培。倒伏してない。
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by soba-kiri | 2010-10-09 22:58 | 社会科見学  

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